お知らせ
特別寄稿(菊地 一文 氏)
「時々サクッと読み返したくなる!特別支援学級・通級指導教室の授業づくりに役立つQ&A(第1版)」の完成と公開にあたって
人口減少や少子化の影響により、小・中学校等に在籍する児童生徒が年々減少している中、特別支援学級に在籍する児童生徒や通級による指導を受ける児童生徒は増加の傾向にあります。その数は特別支援学校に在籍する児童生徒数を大きく超えており、我が国における特別な教育の場のメインターゲットであると言えます。その一方で、文部科学省等の調査では、特別支援学級や通級指導教室を担当する教員の多くは経験年数が浅く、悩みながら指導を行っている現状であることが指摘され、大きな課題となっております。さらに、小・中学校等においては通常の学級に在籍する多様な教育的ニーズのある児童生徒への対応も喫緊の課題となっていることから、小・中学校等においては、特別支援学校のセンター的機能の活用などを含む、校内支援体制の整備と指導・支援の充実が求められているところです。
このような学校現場が抱える課題に対して、国立特別支援教育総合研究所をはじめ、各都道府県及び政令市・中核市等の教育センターでは、学校現場で活用できる特別支援教育に関する様々なガイドブックやツール等を開発し、発信してきているところです。従前に比べ、インターネットでキーワード検索すれば、たくさんの情報が入手できる時代となったことは、大変喜ばしいことです。しかしながら、そうは言ってもなかなか必要なものを検索して入手することが難しいという現状もあるようです。
これらの状況を鑑み、本ポータルサイトは、青森県総合学校教育センター特別支援教育課が2019年に実施した県内の特別支援学級や通級指導教室担当教員を対象とした悉皆調査の結果を踏まえ、学校現場における特別支援学級や通級指導教室担当者の生の悩みや課題を取り上げて作成したものです。アクセスしやすく、わかりやすいQ&A方式で、馴染みやすい4コマ漫画の形態をとおしてコンパクトかつ具体的に対応方策等を紹介しており、さらにはこれだけの本数をストックし充実したコンテンツは、他に例がないでしょう。特別支援学級や通級指導教室の担当教員のみならず、児童生徒に関わるより多くの方に紹介したいポータルサイトです。
児童生徒がよりよく学ぶためには、教員自身が学びを通して資質・能力の向上を図るとともに、学びの面白さや手応えを実感しつつ、児童生徒の身に立って授業づくりを行う必要があります。コンパクトにまとめられ、短時間でアクセスできる本ポータルサイトには、そのような教員自身の学びやすさやわかりやすさがあり、学んだことを実際に実践してみることで咀嚼され、手応えを感じられるようなよさや可能性があります。
なお、本ポータルサイトはこれで完結ではなく、利用された方が「教えてアンサーくん」にフィードバックすることによって、さらに拡充が図られていくとのこと。学校現場の先生方と共に作り上げていくという点でも魅力的であり、独自性や発展性があります。本ポータルサイトの今後の学校現場での活用と充実に期待しています。
弘前大学大学院教育学研究科教職実践専攻 教授 菊地 一文
あなたの声を聞かせてください「教えて!アンサーくん」
新しいQの作成に向けて、御利用の皆様からアンサーくんに聞きたいことを募集しております。内容は、授業に役立つQ&Aと同様に 「特別支援学級又は通級指導教室における指導に関わること」 とします。
皆様の声を集約・整理して、順次、新規のQとしてWebアップしていく予定です。そのため、個別の回答はできませんので、予め御理解願います。
以下のGoogleフォームに必要事項を入力してください。
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Q&A関連資料
タイトル | Q&Aと併せて読んでほしい資料 |
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表紙 |
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ダウンロード | Q&A別冊_ver.1.pdf 438 |
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形式(容量) | PDF形式(3.87MB) |
発行 | 令和4年2月 |
概要 |
「時々サクッと読み返したくなる!特別支援学級・通級指導教室の授業づくりに役立つQ&A(第1版)」の補足資料です。 Q&Aには掲載されていない情報の中から、「これだけはおさえておきたい!」内容を厳選してまとめました。 ぜひ、併せて御覧ください。 |
タイトル | 時々サクッと読み返したくなる!特別支援学級・通級指導教室の授業づくりに役立つQ&A(第1版) |
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表紙 |
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ダウンロード | 授業に役立つQ&A_第1版.pdf 633 |
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形式(容量) | PDF形式(6.35MB) |
発行 | 令和4年1月 |
概要 |
特別支援学級及び通級指導教室の担当教員が抱えている困難の軽減や課題解決に資する資料として作成していた、「時々サクッと読み返したくなる!特別支援学級・通級指導教室の授業づくりに役立つQ&A(第1版)」が完成しました。 Q&Aには、次のような特徴があります。 ・小・中学校の特別支援学級の担任又は通級指導教室の担当を1~5年経験した教員を対象として想定し、作成しました。 ・担当教員が様々な困難を抱えている各教科や自立活動の授業づくりに役立つ内容で構成しています。 ・特別支援学級や通級指導教室の子供たちの実態は多様であるため、実践事例ではなく、何度も繰り返し確認する必要がある「基本的な考え方」を示しています。 ・多忙な学校現場において短時間でサクッと読めるよう、情報量を精選しています。 ・最初から順番に読む必要はなく、目次を見て、気になるところから読むことができます。 |
タイトル | 青森県内小・中学校における特別支援学級、通級による指導に関する実態調査報告書 |
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表紙 |
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ダウンロード | 青森小中学校特支実態調査報告書.pdf 100 |
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形式(容量) | PDF形式(1.72MB) |
発行 | 令和2年5月 |
概要 |
青森県内の小・中学校の特別支援学級や通級による指導を担当する教員の現状と課題を明らかにすることを目的に本調査を実施しました。 本報告書では、調査項目に基づき、教育課程の編成、実態把握、個別の教育支援計画、個別の指導計画、自立活動の指導という5つの観点で分析しました。その結果、担当教員が「困っていること」の全体像は、いずれの「困り」についても単独で存在しているというよりも、それぞれが影響し合って(つながり合って)生じていると推察されることから、「困りの連鎖」の状態にあると考えられました。 そのため、担当教員の専門性向上のためには、「今、何に困っているのか」等の研修ニーズを明確に把握することの重要性を指摘しました。 |